DETAIL
多様な御召をつくる一大産地
京都府西陣
御召緯(オメシヌキ)
下撚りと同じ方向1メートル間に約3000回転の上撚りをかけて作られる。
撚りの強い糸は経糸との摩擦が生じて滑りにくく、湯もみでシボができることで経糸がいっそうずれにくくなり安定します。そのため、薄くてもしっかりした、単衣にも向く生地になります。また片撚り糸であるため糸の光沢が生かされること、多少の伸縮性が有り、シワになりにくいのが特徴です。
一回の撚糸に約3日かける。
セリシンが溶けない程度の約90度の湯に御召緯用の薬剤を溶かし、糸を浸けて一晩おきます。季節により温度の下がり方が変わるので温度管理に気を遣います。
御召緯は強い撚りを掛けるため、強く糊付けして糸を保護します。糸にもみ込み、一晩おいて乾燥。
布海苔、姫糊、甘藷でんぷんなどを調合した糊を作り、400グラムの糸に対し、約1.8リットルの糊をもみ込みます。糊ムラができないようまんべんなく含ませるように注意しながら作業。一晩寝かせて脱水し、乾燥させます。乾燥したいとは枠巻から管巻を経て八丁撚糸機で撚糸します。強い撚りで糸が切れないように作業場の湿度を高く保ち、さらに水をかけながら撚糸するため湿式撚糸とも言われます。撚りムラができないように、糸の様子を見ながら手作業で水を掛けます。
経緯とも糸準備を整えて、力織機で製織します。右撚りと左撚りの御召緯を交互に織ることで、仕上げの後に特有のシボができます。
酢酸を入れたぬるま湯に反物をたぐりながら通し、かるく糊を落とします。さらに柔軟剤と酸を入れた湯に反物を入れ、水流の中で糊を落とします。御召緯の量により糊の落ち具合が変わるため反物の状態を見ながら時間を加減します。このあと2回ほど水洗いして脱水。干し場でひと晩乾燥。このとき反物幅はかなり縮んでいます。反物は幅出し機で湯のしし、クリップテンターに3回かけて幅を出します。
さらに反物を布の間に蒸気を当てろローラーにかけて布の幅を安定させ最後に柔軟機に通して完成。