DETAIL
松の木や根を不完全燃焼させて取り出す煤から取った染料で染める。
もみ込み染 量産不可
「越後おぐに」は、新潟県長岡市小国町で制作されている紬織物です。小国町は、小千谷市に隣接した雪深い農村地域で、昔は養蚕が盛んに行われていた土地でもあります。また、和紙の産地でもあり、無形文化財小国和紙としても知られています。
冬には豪雪に閉ざされた静寂の土地で、古くから営まれている織物、それが「越後おぐに」です。「柿渋染め」と「松煙染め」という大地の恵みをいただいた独自の技法で色を染めることにより、独特の風合いと色合いを生み出し、丹念に織り上げられています。
タテ糸生糸・ヨコ糸真綿の紬織物で、とても細い糸を用いています。生糸の光沢と、真綿のふわりと軽い風合いが交じり合い、やわらかくて心地よい織物です。しなやかな質感が特徴で、さらりとして足さばきも良いので、単衣の季節にも快適にお召し頂けます。
松煙は、松の樹脂分の多い部分を不完全燃焼させて出来る煤(すす)を原料とする染料のことで、本松煙染めは、伝統的な『もみ込み染め』で糸ひとかせづつ丹念にもみ込みながら染めつけます。古くからの技法。